岡田斗司夫ゼミ10月23日号『ジブリはいま』
で、おもしろい表が公開されていました。
その名も、ジブリ作品勝敗表 by 岡田斗司夫。
ジブリ作品のビジネスとしての『勝敗』が一目でわかります。
今回は、ビジネス視点でみたジブリのお話です。
興行収入とは?配給収入とは?
本題に入る前に、映画の興行収入や配給収入について確認しましょう。
興行収入(こうぎょうしゅうにゅう)とは、
映画に関して映画館での入場料から得られる売り上げ合計のこと。
配給収入(はいきゅうしゅうにゅう)は、映画において、
興行収入から映画館(興行側)の取り分を差し引いた、
配給会社の収益のこと。配収とも。1999年度までは日本で、
映画の成績において興行収入ではなく配給収入が発表されていた。
各映画の興行会社(映画館)と配給会社間の上映の契約ごとに違うが、
興行収入のおよそ50%が配給収入となる。
この配給収入の50%が、制作会社(ジブリ)の売上になります。
岡田斗司夫ゼミで示されていた具体的な例では、
興行収入:1800円×100万人=18億円
配給収入:18億円×50%=9億円
制作会社の売上:9億円×50%=4.5億円
すなわち、興行収入の1/4が制作会社(ジブリ)に入るお金です。
この金額が制作費より多いか少ないかで、ビジネスとしての成否が決まります。
ジブリ作品勝敗表からみえるジブリ・ビジネスの軌跡
さて、以上の内容をまとめて、
ジブリの売上-制作費=ジブリの利益
をあらあらで算出してみると、
スタジオジブリは成功しつづけているイメージがありますが、
『もののけ姫』で当時の日本映画の興行記録を塗り替えるまでは、
非常に苦しい闘いをしてきたことがわかります。
そして、『魔女の宅急便』から『ハウルの動く城』までの15年間の成績は強烈です(笑)。
ハウル以降のジブリは、過去の稼ぎをバリバリと消化しながらも、
『風立ちぬ』や、『かぐや姫の物語』などすばらしい作品を発表し続けています。
ジブリはビジネスに敗北したのか?
一部には高畑さんの退職金代わりといわれた『かぐや姫の物語』の大赤字や、『レッドタートル』の興行的な失敗から、ジブリの存続を危ぶむ声があります。
実際に、
関係者によると、200人以上とされる
スタジオジブリ所属のアニメーターには、
今年春の段階で、すでに制作部門の解散を伝えていたという。実質のアニメーター採用である研修生募集についても、
昨年秋から見送っており、
すでに人員整理に取りかかっていたとみられる。(中略)
3日放送のTBS系「情熱大陸」でも、スタジオジブリの
代表取締役でプロデューサーの鈴木敏夫氏(65)が出演し、
株主総会の場で
「制作部門を1回解体し、再構築をしようと思う。
宮崎監督の引退は大きかった。
このまま、つくり続けることは不可能でなかったが、
いったん小休止する」と明かしている。
ジブリ、アニメ撤退 映画制作部門を解体 「ポスト宮崎駿」が… (1/2ページ) - 芸能 - ZAKZAK
とあります。
しかし、最新の決算公告をみてみると、
利益剰余金140億円!
そして、下のブログを読めば、いかにジブリが経営面で健全な企業かわかります。
経営破綻とかデタラメ言われてるスタジオジブリは危ない企業どころか健全な企業だった
宮崎駿さんはすでに引退宣言してしまいましたが、まだ140億円残っているのをみると、次回作も期待してしまいます。
仕事道楽の鈴木敏夫さんが、宮崎駿さんに新作をけしかけるのを期待しましょう。
後日談(2016/11/09追記)
宮崎駿さんの新作に期待と書いていたら、こんな記事がありました。
引退後、丸くなっていたはずの宮﨑さんが、
CG制作が進むにつれて、「全然ダメじゃん。俺が全部直す」
と言ってどんどん白熱していき、
かつての情熱を持った宮﨑さんに戻っていくんです(笑)。
そういった姿を見て、人間は何歳でも、
気持ちに火さえ付けば出来ないことはないんだと思い知らされました。制作期間も、初めは1年半〜2年と予想されていたのですが、
諸問題が発生し、いまだ完成時期は未定です(笑)。
まさに「終わらない人」ですね。
宮﨑 駿に再び火がついた! 最新作のきっかけはゴミ拾い?♢終わらない人 宮﨑駿 |NHKオンライン
ポッドキャストで聞くことができる『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』でも、宮崎駿監督は短編映画をつくっていると耳にしていましたが、長編作品になりそうな勢いですね(笑)。
宮崎駿監督の新作長編映画を楽しみにしましょう(笑)。