介護をはじめて一か月が経ちました。
「介護が続かないのって、(腰痛じゃなく)人間関係かな?」
と思っているさなか、見事にぎっくり腰になってしまいました(苦笑)。
今回は介護をやめる理由は、腰痛+人間関係+低賃金のトリプルコンボだと思った話を書いていきます。
[:contens]
腰痛までの耐力試験?介護の入浴は大変!
先月(2016年07月)から高齢者医療中心の病院で、週3日、介護職として働いています。
若い男手として、仕事のほとんどがハードな肉体労働である入浴と排せつ介助です。
実は「入浴」は、介護職の仕事の中で、一番肉体的にキツい部類に入ります。
入浴と聞けば、高齢者をお風呂に連れて行って、背中を流してるところをイメージするかもしれませんが、病院での高齢者の「入浴」はまったく違います。
入浴には「誘導」と「介助」の二つの行程があります。
誘導は、自分で身動きが取れない高齢者を人力でストレッチャーに担ぎ上げて、機械浴の設備がある風呂場へ運ぶことをいいます。
半日(2時間)の間に、20人もの誘導を繰り返すため、実質的に重量上げのハードな肉体労働です。
半日ごとに入浴とその他の仕事で分担が分かれることもありますが、一日中入浴の仕事を担当することも多く、40人もの重量挙げを4時間の間、やり続けることになります。
ぼくは若い男手ということもあり、午前午後のぶっ通しでやり続ける入浴担当になってしまいました。
ぼくは実は柔道黒帯で、コルセットもつけていたため、腰痛にはならないだろうと油断していました。
しかし、慣れてきたな・・・と思っている矢先、体重70kgのおじいさんをトランス(ベッドから車いすに移動してもらうこと)しようとした際、ぎっくり腰になってしまいました。
このおじいさんは病院に入れられ、おむつをつけるよう家族に説得され続けていたことから、メンタルがやられてしまっていて、常に脱力してしまっていました。
自分で立つ意志がある人とない人では重さがまったく異なります。
ぼくの腰は見事にくだけてしまい、力が入らなくなってしまいました。
※このあと整骨院に行き、なんとか回復しましたが、病院側に労災を申し出ても、その現場をみていた証人がいなければ労災はおりないといわれ、泣き寝入りするハメになってしまいました。
職務中にケガをしてしまった場合は、きちんと労災が適用されるよう、事前に必ず確認しておきましょう。
病院の介護と介護施設の介護の大きな違い
これまで病院の介護職として実体験した入浴の大変さをかいてきましたが、介護の仕事は当然それだけではありません。
ぼくの職場はあくまでも病院なので、介護の仕事として多少特殊です。
病院で取り組んでいる介護は治療を滞りなく終わらせるための介護です。
患者(利用者)が望む生活を実現するという本来の介護ではありません。
だから、介護現場では禁止されている「抑制」が日常的に行われていますし、利用者ではなく患者として扱われます。
患者の望む生活より、治療の完了が最優先事項です。
排せつ介助はそこまでキツくない
介護の仕事のキツさに、排せつ介助を考える人は多いです。
ぼくも実際に働きはじめるまでは、
「他人の下の世話なんて、自分にできるんだろうか?」
と不安に感じていました。
しかし、排せつ介助にはすぐ慣れます。
そこまで大した話ではありません。
また、介護職にとっては、便がたくさん出てるほうが嬉しいものですし(健康の証です)、めちゃくちゃになってしまっているときのほうが、キレイにしてあげられたときの喜びも大きいものです。
異分野の人がうんこの臭いを消すグッズを開発すべき!なんて主張しているのを見たこともありますが、実際にやってみたことがない現場を知らないとんちんかんな主張だと思います。
うんこはそんなに汚いものでもありません。
ぼくが介護をやめた最も大きな理由は人間関係
患者と直接触れ合う介護を通して、ぼくは少しずつ介護職として、意識が高くなっていきました。
その中で、先輩方の多くが患者に対する言葉遣いや、対応がひどいという気持ちが強くなってきました。
わけあって、1か月入浴できない状態で入院した患者に向かって、臭い、汚いの罵詈雑言を投げる先輩(しかも副主任という立場の人で悪質だと思いました)もいました。
入浴の誘導の際も、時間的にタイトなこともありましたが、患者を雑に扱って、壁に頭をぶつけてしまっていることもありました。
この数か月後にぼくは介護をやめることになりましたが、その決定的な理由は、ヒヤリハットの運用方法が完璧に間違っていることに対しての不満でした。
ヒヤリハットは重大事故を起こさないように、小さな失敗のうちから、二度と同じ失敗をしないよう、日々改善をしていくものです。
誰がその失敗をしたかは問題ではありませんし、問題にしてはいけません。
人を責めるようになってしまうと、そもそもヒヤリハットが報告されなくなってしまうからです。
しかし、ぼくが働いている病院では、違いました。
ぼくは入浴の誘導をしていた際に、ヒヤリハットを起こしてしまいました。
報告の仕方も誰にも説明されておらず、書類の無記載も責められてしまうことになりましたが、ヒヤリハット報告の場で、副主任が一方的にぼくの責任だと押しつけてきました。
このような職場では、ヒヤリハット報告が上がりにくくなってしまうものです。
そして、この出来事は直接、重大事故を起こしやすくなっていることを意味します。
さらに、重大事故を起こしてしまった際も、誰も守ってくれないことを意味します。
あなたが働いている職場がこのような職場であれば、すぐに転職したほうがいいです。
介護は賃金が低いことは大問題ですが、流動性が高く、転職は簡単です。
キツすぎる仕事、安すぎる介護報酬
そんな介護のお仕事は、時給1040円でした。
ぼくは非常勤の立場でしたが、正社員の場合は月5回の夜勤ありで月給約20万です。
- 肉体的にも厳しい(腰痛になります)
- 人間関係もひどい(職場によります)
- 給料は安い
のトリプルコンボです。
求人は「やりがい」のごり押しで、感謝される仕事だということをアピールし続けていますが、これから介護職をはじめようと考えている人はこの現実を知っておいてください。
介護で高収入を稼ぐ方法は、こちらに書きました。