今日も日本のどこかで路上ミュージシャンが歌っています。 思い思いの音楽を演奏したり、CDを販売したり、頑張っています。
ぼくは、実際に行動している路上ミュージシャンが大好きで、見つけたら立ち止まって聴くことがよくあります(曲やパフォーマンスが気に入ったら商品を買います)。
でも、路上ミュージシャンの中には、
悪い大人たちのビジネスに絡めとられて、消耗してる人も多い
のも現実です。
今回は、そんな大人たちにビジネスを任せなくても、まともにやれば、
路上ミュージシャンでも稼げるぞ!
ということを、書いていきます。
もしかして騙されてる?夢の武道館という甘い罠
まずは、悪い大人たちが関与しているビジネスの実例を挙げます。
〇〇日間でCD〇〇枚お届け!
という看板を掲げた路上ミュージシャンを見たことはあるでしょうか?
これを掲げたミュージシャンたちの頑張りはTwitterを通して知っているので、チャレンジしている方々を批判する気はありません。
しかし、このチャレンジの裏には、あまりよくない事務所※が絡んでいます。
※詳しくは2Chで調べてみてください。
ときは遡って2010年。こんな事件がありました。
2010年5月20日から2011年5月20日の一年間で15,000人のファン会員(「伊吹唯サポーターズファミリー」)を集めることに挑戦し、達成したら武道館にワンマンライブの予約を入れるというプロジェクトを実行。
最終的に13,902人に達したが、目標の15,000人には及ばなかった。
2011年11月19日から1年間、再挑戦を試みたが及ばず。2013年3月3日「さとなか唯」に改名するとともに、2014年3月に日本武道館公演が実現する予定であった。
2013年12月26日、武道館公演中止の決定をうけ、翌日の自身のブログで「日本武道館公演に関しての大切なお知らせと、お伝えしたいこと。」 と題し、「私の夢は、夢のまま終わりました」と自身の言葉で公表。
理由は所属事務所BirthdayEveが経営困難となり倒産したこと。チケット購入者には事務所より手紙が一通届いたのみで返金もされない、その他サイトなどでのお詫びは一切無い。
その対応に一番悩んだのはアーティスト本人であった様で、事務所が完全に片付いた後はブログで、何も聞かされていなかった当時のつらい様子を語った。 彼女は今でも誰かのためにと歌を歌い続けいている。
ざっくりまとめると、武道館を餌にアーティストとファンを頑張らせて、チケットで荒稼ぎした後、事務所がお金を持ってバックレてしまったという話です。
本当だとするとわかりやすすぎる詐欺行為ですが、この事件を起こしたのと同じ人たちが夢の武道館ビジネスを引続きやってるという噂があります。
ここで先に明言しておくと、大人の力を借りたからといって、武道館へいけるわけがありません。
では、
- メジャーデビューが必要なのか?
- 大手事務所のスカウトを待たないといけないのか?
などと疑問がわくかもしれません。
ぼくが提案したいのは、ビジネス感覚をもったアーティストになって、自分で武道館ライブを開催するという選択肢はいかがでしょうか、という話です。
路上ミュージシャンは最強のビジネス
こんなことを言われても信じられないかもしれませんが、路上ミュージシャンは最強のビジネスです。
その理由は、
- 固定費が少ない
- 商材の粗利幅が大きい
- ファン(顧客)を獲得しやすい
です。
固定費が少ない
まず、ソロの場合に必要なのは(自分の)人件費だけです。
とにかく自分一人だけでも食えるようになることがチャレンジの第一歩になります。
どのようなビジネスでも基本は同じですが、路上ミュージシャン業で成功するためにも、固定費の大小は大切です。
路上ミュージシャンだからといって、家賃が高い池袋や渋谷での活動をメインにしていると、勝算が低くなってしまいます。
そこで、ぼくがおすすめしたいのは地方の駅です。
地方の駅といっても、誰もいない閑散とした駅は当然だめです。
具体的には、人口20万~40万人程度のまちで、その地域最大の駅をねらうのがおすすめです。
地方駅の周辺なら、月数万円で住めますし、場合によっては農家の人から食料をもらえる場合もあります。
支出にはなるべくシビアになってください。それが成功への条件になります。
商材の粗利幅が大きい
次に、実際に販売する商品=CDは、粗利幅の大きい商品です。
もちろん楽曲制作には、録音費用やスタジオ代など、諸経費がかかってしまいます。
しかし一度、作品ができれば、原価の安いCDにバンバン録音して、売りさばいていけばいいだけです。
言いようによっては、あなたの音楽の力で50円を500円に化かす錬金術といっても過言ではありません。
また、実際にCDはシングルとアルバムで販売されているものですが、路上で販売する際も、複数の価格帯で販売することをおすすめします。
500円のイチオシのシングルCDや、3000円のコアなファン向けの曲が入ったCDなどと価格帯を分けることで、ユーザーの属性に応じて商品を買いやすくする工夫をしましょう。
ファンと一言にいっても、ご新規さんから、アルバムを楽しみにしてくれるファン、CD販売を手伝ってくれるファミリーまで、さまざまな客層があります。
この一点を意識するだけでも、ビジネスとしての成功確率は高まります。
ファン(顧客)を獲得しやすい
固定費の項で、ちょっと田舎のまちをおすすめしましたが、ファンの獲得においてもちょっと田舎のまちはおすすめです。
まず、池袋や渋谷の場合、よほどのレベルでなければ注目が集まりません。
しかしローカル駅なら、そもそも路上ミュージシャンが珍しく、注目が集まりやすいです。
ローカル駅で路上ミュージシャンをやるときのポイントは2つです。
- 毎日決まった時間にやる
- ツッコミやすいキャラクターを演出する
一つ目の、毎日決まった時間にやることは、ファンを獲得するために最も大切な信頼を積み重ねていく行為です。
「〇〇日間でCD〇〇枚お届け!」系のアーティストがなんだかんだCDを売り切れるのは、目標を明確にして、毎日やっていることが大きいです。
毎日の頑張りは必ずSNSに投稿して、アピールしましょう。
二つ目の、ツッコミやすいキャラクターを演出することは、ファンとのとっかかりをつくるために重要なポイントです。
日本人はきっかけなしに話しかけるのが苦手な国民性があります。
そのため安易ではありますが、メジャーなキャラクターにコスプレしたりするなど工夫して、「えっ!?」というツッコミたくなる驚きを与えることが大切です。
コスプレ(など)はSNSの観点からも重要です。
友だちのツイートでみた人をリアルにみつければ、話しかけるきっかけにもなりますし、学校などで話題になって盛り上がる可能性も高いです。
もしかすると、月曜から夜更かしに出演できるかもしれません(笑)。
少しずつ、新参者の自分を地域に浸透させていって、(将来の)ファンにみつけてもらう手がかりをつかんでいきましょう。
具体的に計算してみよう。
理屈はこれくらいにして、実際にどれくらい稼げるか簡単に試算してみましょう。
〇〇日間でCD〇〇枚お届け!系アーティストは、1000枚からチャレンジを開始して、徐々に枚数を上げていきます。
ぼくが少し前に見ていた人は、今、90日間で5000枚にチャレンジしています。
つまり、90日間で3000枚のチャレンジには成功しています。
上の表で2番目が3000枚売り切った場合です。
右端の数字を見てください。
ざっくり月収40万円!
生活する分には困りませんし、結構な稼ぎではないでしょうか。
もちろんざっくりの計算ですので、楽曲製作費とかもろもろの諸経費は考慮していません。
しかし、(自分一人でやれば)これくらいは稼げる能力があることを把握しておくことが大切です。
月40万円稼げたら、十分、音楽で生きていけてることにならないでしょうか?
まとめ
ぼくは、〇〇日間でCD〇〇枚お届け!系アーティストが、3000枚の時点で、結構裕福でいいものが食えてるなら、何の文句もありません。
それはいい事務所に所属できて、武道館という自分の夢に挑戦できていると言えることだと思います。
しかし、3000枚も売る力があるのにバイトしていたり、ろくにご飯が食べれていないなら、一度、独立を検討してほしいです。
武道館は事務所に所属しても、しなくても、あなたに十分な稼ぎがあれば、自分の力で実現することができます。
日本のキングオブロックこと忌野清志郎さんも、ロックで独立する道を選んでいます。興味がある方は一度、読んでみてください。