とにかく元気を出すことだよ

レールから外れた人へ

これって地域活性化の教科書?な『限界集落(ギリギリ)温泉』がおもしろい!

 

Kindle Unlimitedでは、鈴木みそさんの多くの作品が読み放題です。

 

その中でも特に『限界集落(ギリギリ)温泉』がおもしろかったので、紹介します。

 

限界集落(ギリギリ)温泉ってこんな話

限界集落(ギリギリ)温泉の内容はこんな感じです。

伊豆の温泉宿を、おたくが集まって復活させるストーリー。
ダメダメなキャラたちが集まって、大きなイベントが始まった。
地元の老人たちの反応は? しかし行く手を阻む影が…。

Amazonの作品紹介より

 

ごくごく大雑把に、『伊豆の温泉宿』と書かれていますが、登場する温泉宿は経営に行き詰まり、破たん寸前(していた?)の温泉宿です。

また、『おたくが集まって』と書いてありますが、おたくを集めて、経営再建に導いたのは、主人公の大活躍です。

 

そんな主人公は、経営コンサルタント?敏腕のビジネスマン?

そうではありません。

人生に行き詰まり、都会から逃げて、野宿生活していた男です。

 

お話はテンポよく、内容も味わい深く、女性キャラもかわいい(嫌味がない程度のほどよいお色気シーンもあります!(笑))ので、とにかくオススメです。

Kindle Unlimitedに加入していなくても、1巻は出血大サービスで99円みたいなので、とにかく読んでみてください!

 

限界集落(ギリギリ)温泉の感想(ネタバレあり)

ここからはもうちょっと踏み込んだ感想です。

ネタバレ要素もあるかもしれないので、気になる方はスルーしてください。

 

この漫画のテーマは、『少子高齢化社会における衰退地方の活性化』だと思います。

本作は、そんな社会における地方と都会の関係が感じとれるように描かれていて、著者・鈴木みそさんの「地方が生き残るための戦略はこんなところでは?」といった声が聞こえるようでした。

 

そして、その戦略は驚くほど本質的でした。

 

今、地域活性化といえば、レッドオーシャンのゆるキャラや、どこも似たりよったりで売上が立たないB級グルメ、投資回収の見込みのないハコモノの道の駅や、凡庸な地域ブランドなど、それ大人がやることなの?といった内容ばかりが溢れています。
(興味がある方はこちらの本をお読みください。)

 

が、本作では、今の世の中にあった温泉宿の魅力を、ターゲティングされた顧客に向けて、開発・提案して、きちんと情報発信して、お客さんを集めて、さらには味方(運営を手助けしてくれるほどコアな顧客に育てて)にして、売上(利益)を積み上げていくという、至極まっとうな内容です。

 

また、本作では都会では『使えない、売れない、キモい』など、負の烙印を押された人たち(自らそう思いこんでしまっていることも多いですが)が、田舎で息を吹き返して、もっていた『おたく』な能力を発揮していきます。

 

ああ、これでいいんだよなぁ」と読んでいて、思いました。

 

都会はとにかく人が多い場所です。

また、インターネットは全世界の人と自分を比べることを可能にしました。

つまり、意識的にも、無意識的にも、現代社会は競争にさらされる機会が増えています。

 

たとえまちで一番絵がうまいと言われていても、都会に行ったり、インターネットを通せば、もっとうまい人が簡単に見つかってしまう時代です。

ここで自らの「井の中の蛙」をさとり、発奮できる人なら、インターネットは素晴らしいと言えそうですが、ぼくは発奮できない人のほうが『日本人には多い』のではないかと思っています。

ぼくはその意味で、都会も、インターネットも有害だし、だからこそ地方や田舎はそんな無意味に傷つけられてしまった人たちの受け皿として、(本作のように)機能できれば最高だなぁと思いました。

 

傷つけられてしまった人たちは、じぶんの能力は大したことがないと思い、人によっては仕事をしなくなり(ニート)、人によってはおたくな趣味にさらに没頭するようになります。

 

しかし、「ニート、ニート」と仕事しない人をバカにしたり、「おたく、おたく」とゲームばかりしている人をバカにするのは簡単ですが、人材を活用できていない社会にこそ、問題があるのでは?と、ぼくは言いたいです。

 

昨日の自分と競争して、よりよい自分になろうと努力することは大切ですが、全人類と競争して、飛びぬけた能力がない人間は負け組だと、吐き捨ててしまうような社会は健全でしょうか。

 

鈴木みそさんの限界集落(ギリギリ)温泉を読んで、こんなことを考えました。 

おすすめです。ぜひぜひ。